和族遥かなる旅路

日本列島編 第7話 - 木の国と火の国

二人は、紀伊半島をぐるりと一周しました。

[ソン]何処まで行っても、木・木・木だなぁ。
[イー]あぁ、いい丸太舟が出来る。

二人は、海岸に横たわった太い枯れ木に座って、出会った時の事を思い出していました。

[ソン]お前達兄弟が、船に火を点けた時は、本当にびっくりした。頭がおかしくなったかと思ったよ。
[イー]はははっ。あの時は、俺たちも一生懸命だったんだ。お前に負けたくなくてな。

[ソン]俺は、あの時、お前達と一緒に行こうと決心したんだ。
[イー]・・・。俺達も、お前にはずいぶん助けられたよ。

アラビア半島、インド大陸、東南アジア、中国大陸、シベリア。楽しくも厳しかった日々が、懐かしく浮かんできます。

[ソン]なぁ、イー。お前、マリア姉さんが好きだったんだよな。何で好きと言わなかったんだい。
[イー]ああ。相手にして貰えないと思ってね。

[ソン]あの時一緒になってれば、今頃どうなってただろう。
[イー]・・・。きっと、日本列島が白人だらけになっていただろ。
[ソン]はははははっ。違いない。

イーの脳裏を、マリアの面影が過(よぎ)りました。・・・これで良かったんだ。

その頃ジーたち一行は、済州島を経由して、有明海の岸辺に到着していました。

[ユー]広い干潟だねぇ。何かピョンピョン跳ねてる。
[シン]あぁ。葦がいっぱい生えてて、鳥もたくさんいるぞ。

[ジー]みろ小麦、大きな山から火が噴出している。
[小麦]何て、神秘的なんでしょう。

一行は、導かれるように、阿蘇の山に登りました。東には海が見えています。そこから大きな朝日が昇り、一家を歓迎するかのように照らします。太陽が、草原のかあさんのように思えました。

[ジー]かあさん・・・。着いたよ、理想の地に。
[小麦]・・・。

一向は、日向に下り、右手を海にかざして歩き始めました。揚子江の村から連れてきた犬たちが、一家の周りを回りながらついて来ます。

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