和族遥かなる旅路

日本列島編 第6話 - 伊勢湾

二人は、伊勢湾に差し掛かりました。浜名湖で交換した麻の着物を着ています。毛皮は、村人に大いに喜ばれました。

[イー]やぁ、涼しいなぁ、これは。
[ソン]なかなか似合ってるぞ。はははっ。

漁民が海に潜っていました。女達もです。

[イー]驚いたな、女が海に潜って漁をしているぞ。
[ソン]あぁ。おれの故郷でもこんな事は無かった。しかも、相当深いぞ。

彼等は、器用に潜ってサザエ・アワビ・牡蠣を採って上がってきました。そしてまたすぐ潜ります。

[イー]見た事も無い、でっかい貝だ。
[ソン]おい、海老もでかいぞ。

日本列島は、行く先々で目新しい物に出会える不思議な所でした。ソンは早速、槍を持って海に飛び込みました。綺麗な海です。ずっと先まで見渡せます。すぐ近くを大きな魚が泳いでいます。ソンは細石刃の槍で突きました。高々と槍をかざしてイーに見せます。

これには、漁民も驚きました。魚を槍で突くのは、彼等でさえ簡単ではなかったからです。

その日二人は、漁民に家で、サザエ・アワビ・牡蠣・伊勢海老をたらふく食べました。こんなに美味い物を食べたのは、揚子江の上海蟹以来です。

その頃、中国大陸の揚子江の村では大変なことが起こっていました。黄河流域に黄帝が現れて統治したのです。黄帝は、和族と祖を同じにするチベット系遊牧民族ですが、ミャオ族を支配下に置きました。タイ族は、それを嫌って、和族と共に揚子江の村に逃れて来たのです。

ジーは、タイ族を快く受け入れました。そして、決断しました。

[ジー]ヌンよ。ここは、稲作が出来る豊かな村になった。ここを引き継いでくれ。俺と小麦は、日本列島に渡る。ヤーは、長江中流域の倭族の村へ戻れ。イ族は、タイ族と新たに加わった高砂族を守れ。
[ヌン]おじさん・・・。いや、"ラオー"。あなたの恩は一生忘れません。

[ジー]いいか、ヌン。お前達は農耕民族だ、相手とは絶対戦うな。逃げる所が有ったら何処までも逃げろ。逃げる場所が無くなったら、そこで初めて戦え。全員の力を結集して。
[ヌン]ラオー・・・。

ジーは小麦と共に、息子のヨーとサンの息子のシンを連れて海を渡り、日本列島へ向かいました。

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