和族遥かなる旅路

日本列島編 第1話 - 蝦夷の地

イーとソンは、樺太を渡って北海道に到達しました。厳寒の冬は何もかもが凍り付きますが、その雪が解ける季節になると、広大な湿地帯が広がります。

[イー]こっち側にも、マンモスがいる。北にも南にも東にも。
[ソン]ナウマン象もいるぞ。驚いたな。ジーにも見せてやりたかったなぁ。

当時の北海道では、寒い冬が続くとマンモスが増え、暖かい冬が続くとナウマン象が増えました。
象は、体に似合わず泳ぎが得意です。ナウマン象は、津軽海峡や日本海を泳いで渡ってきたようです。
二人は、暖かい日を選んで、川に沿って山に登りました。川べりや崖の所々に黒い岩が剥き出しになっています。

[イー]なるほど。黒曜石が、あちこちに沢山露出している。
[ソン]あぁ。すごいな。

二人は、石斧で黒曜石を掘り出し、持てるだけ持って山を下りました。マンモスハンターにとって、黒曜石は宝物でした。

イーは、黒曜石の塊から楔形(くさびがた)の小片を量産し、槍に装着しました。楔形細石刃の登場です。従来の平らな細石刃より、貫通能力が大幅に増しました。北海道独特のこの楔形細石刃は、瞬く間にシベリアと日本列島に広がり、北米大陸の遺跡でも発見されています。

[ソン]こりゃまた、すごいのを作ったもんだ。同じ材料でも、こんなに性能が違っちゃうんだなぁ。
いつもながら、お前の技法には感心するよ。

[イー]で、これからどうするんだ。北米大陸に行くのか?
[ソン]いや。それは後輩たちに任そう。ジーの事も気になるし。
[イー]・・・。

イーは、嬉しかった。正直言って、もしソンが北米大陸に行くと言い出したら、どうしようかと思っていました。ソンの優しさに、後は言葉になりませんでした。

その頃、中国大陸のジーは、タイ族と共に草原沿いの道を歩いていました。小麦の消息は全く掴めません。タイ族もここで生活するは自信が無いようです。

[ヌン]どうも、ここらには、我々に適した場所は無いようです。
[ジー]そうか・・・。どうだい、黄河に行ってみないか?あそこなら俺と同じ和族もいるし。
[ヌン]はい。ぜひ。

一行は、進路を黄河に向けました。

[ヌン]ジーがいた黄河って、どんなところですか?。
[ジー]うん。暖かくてね、魚や貝や蟹が採れて、粟(あわ)や黍(きび)が沢山生えている。
[ヌン]わぁ。いいなぁ。

すでに、みんなの心は黄河に飛んでいました。

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