和族遥かなる旅路

アラビア編 第7話 - 丸木舟

夕方、二人は、くたくたになって家に帰ってきました。

[サン]遅かったなぁ。心配してたよ。
小麦が先に帰ってきて、大体のことは聞いていたから、大丈夫だとは思っていたけど。
[ソン]こいつら、結構がんばったよ。お陰で俺は楽だった。
[サン]へぇ、お前が他人を認めるなんて珍しいな。はははははっ。

[ソン]おれは、父さんと兄さん以外は認めない。
[サン]それは名誉な事で。はははははっ。

[小麦]さぁ、ご飯できたよ。お腹すいたでしょう。お母さんみたいに上手じゃないけど、いっぱい食べて。
[ジー]いただきまあす。
[イー]うん、美味しいよ。小麦ちゃん。
[サン]小麦はね、いつもお母さんの手伝いをしているから、うちで一番料理が上手なんだ。

夜、二人は、疲れた身体を横たえながら話しました。

[ジー]ソンは、厳しいね。
[イー]うん。船は、乗ってる人の命を預るからな。一旦海に出たら、他に頼るものがない。僕らも、筏(いかだ)で大変な目に遭ったもの。
[ジー]うん、あしたもがんばろう。

翌日から二人は、いつもより早く起きて外に出ました。みんなが起きて来るまで、何やら二人でごそごそやっています。

[ソン]サン兄さん。あいつら、船に火を点けやがった。
[サン]なに!

[ソン]いや、船の中で火を炊いて中を焦がしよった。そうすると簡単に削れちゃうんだよ。
しかも溶けた木の樹脂がしみこんで腐りにくいし、水も入りにくい。
[サン]・・・。

[ソン]それだけじゃないんだ。石斧の内側を削って湾曲にしよった。
そうすると船底の曲線まで綺麗に削れるんだ。
今の調子だと、後、太陽が三回も昇るとできちゃうよ。
[サン]・・・。

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