和族遥かなる旅路

アラビア編 第4話 - 白い女の子

翌朝二人は、麦の脱穀を手伝った。一生懸命手で揉んで脱穀する。手ががさがさになった。
次は粉引きだ。窪んだ平たい石に麦粒を入れ、両手で持った石の棒でゴシゴシと磨り潰す。
貝や魚を獲ってそのまま食べていた二人にとっては、気の遠くなるような作業だった。それでも小麦と一緒にいる時間は楽しかった。

小麦を真ん中に、三人仲良く並んでお昼のナンを食べながら、遠くに連なる山脈を眺めていた。

[ジー」ねぇ、小麦。あの山の上の白いのは何?
[小麦」あれは雪。白くて冷たいんだって。でも村の人は誰も行ったことが無いの。寒くて近付けないんだって。
[ジー」ふうん。じゃ、僕たちもダメだ。行ったらきっとすぐに死んじゃうよ。
[小麦」さ、もうおうちに入ろ。姉さんたちが帰ってくる。

三人は家の中に入った。
小麦の話によると、上の姉さんはおかあさんの用事で海の村へ、下の姉さんは山の村へ出掛けたらしい。
窓に座っていた小麦が叫んだ。上のお姉さんが帰って来たようだ。

[アーリ」ただいま。あら、お客様?
[小麦」きのうから、うちに住むことになった、イーとジーだよ。
[アーリ」あら、そう! 賑やかになっていいわねぇ。

[ジー」お姉さん、海の村に行ってたんですか?
[アーリ」そうよ。兄や弟達がね、海の村に居るのよ。
おかあさんに頼まれて、麦の粉を届けたの。そしたら、帰りに魚を貰っちゃった。ふふっ。
おかあさん、喜ぶわよきっと。
[ジー」わぁ、いいなぁ。今度は僕たちも連れて行ってください!
[アーリ」いいわよぅ。
[ジー」やったぁ!

[マリア」ただいま~
[小麦」あ、マリア姉さんだ。

二人は驚いて、言葉を失った。そこに立っていたのは、真っ白い女の子だった。
肌は透き通るように白く、髪は金色で、目はブルー。
まるで、お人形さんのように可愛いくて綺麗な女の子が、にこにこ笑ってこちらを見ていた。

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