和族遥かなる旅路

アラビア編 第2話 - 大河

[イー]ジー。さっき崖を昇ってみたんだけど、上は見渡す限りの草原だ。
これじゃ、出てきた故郷と変わんないよ。どんな凶暴な動物がいるかも分からないし。
[ジー]そう・・・。やっぱり、このまま海に沿って行くのが一番いいんだよ。ぼく好きだよ、海の暮らし。
[イー]うん。おれも。

目指すものは見えませんが、二人の旅は順調でした。
海さえあれば生きて行ける・・・。そう確信したのでした。

そんな旅が、何日も何日も続いた後、二人は岬に出ました。
そこから先はもう東の道はありません。でも二人は気にしませんでした。海の先に大きな陸が見える。海沿いに行けば、きっとあそこにも行ける。砂浜の道は繋がっているのだ。切れていたら、また筏(いかだ)で繋げばいい。
断崖絶壁と海に挟まれた、細い砂浜と磯を渡ってきた経験と知識が、二人を大きく成長させていました。

北へ進むと、海の向うの陸が少しずつ少しずつ、こちらに近づいてきます。間違いありません。この先で繋がっているのです。

[イー]ジー、見て。あそこで崖が切れている。平地だ。林もある!森も見える!
[ジー]お兄ちゃん、人もいるよ。ほら、あそこ!

そこは、後にメソポタミア文明が栄える、現在のイラクの地でした。
チグリス・ユーフラテスの大河が流れ、北の山脈に降り積もった雪が解けて、平地の至る所に湧き水をもたらしています。
大河の周囲は湿地帯でした。雨が降ると大規模な洪水が起こるのでしょう、民家はありません。

[イー]大きいなぁ、まるで海みたい。
[ジー]すげぇ!

"すげぇ"?? もう若者言葉が始まっているのかもしれませんね(笑)。

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