和族遥かなる旅路

アラビア編 第1話 - 断崖絶壁

出アフリカは、二人にとって、やはり命を掛けた大冒険になってしまいました。
僕らは、まだまだ駄目だねぇ。また、かあさんに助けてもらった気がする。
もっともっと経験を積まないと・・・。

[イー]ジー。お腹も空いたけど、もう食料を探す元気もない。
とりあえず、今夜の寝床を探そう。暗くなったら、何が飛び出して来るか分らない。
[ジー]うん。岸壁が続いているから、きっと洞窟(どうくつ)があるよ。

洞窟は、すぐに見つかった。
小さい穴だけど、二人が夜露を凌ぐには十分だ。

[イー]うん、これでいい。疲れているだろうけど、お前は薪(たきぎ)を集めてくれ。
俺は水を探してくる。余り遠くへ行くなよ。
[ジー]わかった。

洞窟で火を起こし、おばさんに貰った干し魚を焙(あぶ)る。

[ジー]美味しいねぇ、兄ちゃん! これ貰っといて良かったねぇ。
[イー]本当だな。おばさん、まるでこうなるのが分っていたみたいだな。
今日は、おばさん達に感謝しながら寝よう。
[ジー]うん。

翌朝は日の出と共に起き出した。一晩で、体力もすっかり回復している。
昨夜は、遠くで動物の鳴き声がするだけで、静かだった。耳を地面につけて寝ていても、何の足音も聞こえなかった。付近には、人も動物もいないのかも知れない。

幸い断崖に沿って、細い砂浜と磯が続いている。これに沿って食料を採りながら東へ行こう。二人はそう決めた。
磯も蟹や貝の宝庫だった。これなら、何処まででも歩いて行ける。

[イー]ジー、見ろ。貝塚の跡だ。古いからだいぶ前に人が居たんだろう。
先には、人が居るかも知れない。

しかし、行けども行けども、たまに古い貝塚があるだけで、断崖絶壁は果てしなく続いている。

[ジー]兄ちゃん、これって何処まで続くんだろねぇ。何か疲れて来ちゃった。
[イー]ジー。こういう時はな、ゴールを考えたら駄目だ。周囲を楽しみながら、一歩一歩進めばいい。そしたらいつかは、ゴールに着く。
[ジー]そうだね。楽しい事は幾らでもあるんだものね。蟹さんはいるし、海老さんだっている。
種類も一杯あるんだよ。
[イー]へぇ、お前は種類が分るのか。俺は大きいか小さいかしか分らん。

二人は笑った。ジーは、兄と笑っている時が、一番楽しかった。

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